電子書籍リーダーより、500円の文庫本を
2011-09-16


シャープの電子書籍リーダー「ガラパゴス」が販売終了になるそうである。発売が昨年暮れだったから、9か月しか持たなかったということだ。シャープは、完全終了というわけでないというが、誰の目にも事実上の撤退とうつるのではないだろうか。
 当初の目標販売台数が100万台だったそうだが、新聞報道によると数万台しか売れてなかったという。数万というのは、何万なのかわからないが、店頭での人の集まり方などから見て、2万台程度なのでないだろうか(勝手な推定です)。

 意欲的な製品だっただけに残念という気持ちもあるが、需要が無いものはしょうがない。いや、はっきりいって最初から電子書籍の需要などなかった。
 シャープは、スマートフォンを電子ブックリーダーにする道を進むべきであった。そうすれば、アプリ制作費だけですんだ。

 電子書籍は、見かけ上のコンテンツ総数は、そこそこあるものの、実質的なコンテンツ、つまり新刊書籍に代わるようなものは、ほとんど、いやまったく出ていないといっていい。
 また電子書籍リーダーは、シャープの他に、いくつかのグループがあるが、グループ間で横断的に、同じ方法で、書籍を購入し、読み、保存するシステムが無い。
 このような状態では絶対に読者がついてこない。

 これまで長い間、数千年とまではいわない、近代以降100年もの間、本は、いつでも気楽に読めるものだった。
 それなのに、数万円のリーダーを購入し、ネットの契約をして、ユーザ登録まで必要という、そんな面倒なことは誰もしない。
 500円の文庫本を買った方がましだ。

 なぜ、日本企業の、こんな勘違いが生まれるのか。
 それは、独創性を失った日本社会の構造的疲弊にある、と思う。
 今日はもう寝るので、詳しくは、次回、ということで。
[電子書籍]

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